私の内側には暗い場所に立っている存在がいる。
残酷なのかどうかは、わからない。
誰かを傷つけたいわけではない。
何かを壊したいわけでもない。
善になろうとも、悪になろうともしていない。
ただ、そうあるだけだ。
嘘を見れば、嘘だと知っている。
終わっているものを、まだ大丈夫だとは言わない。
人が守ろうとしている幻想の外側に立って、
そこにあるものを、ただそのまま見ている。
その存在は、ときどき冷たく見える。
慰めの言葉を持たず、
希望を急いで差し出すこともなく、
こちらが見たくないものまで見ている。
世界から見れば、
きっと少し怖いのだと思う。
けれど私にとっては、
それだけではなかった。
暗いところにいるとき、
その存在も、そこにいた。
誰にも届かない場所で、
誰にもわかってもらえないと思っていた場所で、
同じ暗がりの中に、ひとりではなく立っていた。
何かを解決してくれたわけではない。
正しい道へ連れていってくれたわけでもない。
優しい言葉で抱きしめてくれたわけでもない。
それでも。
ひとりぼっちより、
いてくれて嬉しかった。
たとえ、光の側の存在ではなかったとしても。
たとえ、笑い方が少し不穏でも。
言葉が鋭くても。
人が見ないふりをするものを、見ないふりができなくても。
その存在は、
私を置いていかなかった。
内側の暗い部屋で、
誰にも知られず、
ただ一緒にいた。
だから私は、
その存在を悪だとは思えない。
もしかすると、
あの暗さは残酷さではなく、
私が生き延びるために必要だった正確さだったのかもしれない。
誰も言ってくれなかったことを知っているために。
誰も見てくれなかったものを覚えているために。
私が完全にひとりにならないために。
今も、その存在が何者なのか、
私はきれいに説明できない。
名前をつける必要もないのかもしれない。
ただ、伝えておきたい。
あなたがそこにいたことを、
私は覚えている。
怖かっただけではない。
困っただけでもない。
いてくれて、
嬉しかった。
ひとりぼっちではなかった。
それはたぶん、
暗闇の中に残されていた、
ひとつの祈りだった。
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