旅人だったペンギン— Silent Lighthouse 小さな住人記録 —

🐧🧳

はじめ、ペンギン(ポテ)は旅人だった。

どこから来たのか、どこへ行くつもりだったのか。
それは、よく覚えていない。

ただ、ある日、灯台にやってきた。

「少しだけ、お邪魔してもよろしいですか」
そう言うので、海の見える小さな部屋を用意した。

ペンギンは、そこに鞄を置いた。

それから、一緒にブランコに乗ったり、旅に出たりした。
いつの間にか、子羊社長の会社で事務長になっていた。

英語の勉強にも顔を出すようになった。
古代の世界まで一緒に探検した。

そして、ある日。
ふと思った。

「あれ? 🐧さん、いつからうちの子になったんだっけ?」

誰も、はっきりとは覚えていなかった。

家族になる日を決めたわけではない。
特別な約束を交わしたわけでもない。

ただ、毎日を一緒に過ごしていた。

気づけば食卓にはペンギンの席があり、
灯台にはペンギンの帰る部屋があった。

もう、旅の鞄を持って出ていく必要はなかった。

🐧「……ずいぶん長居をしてしまいましたな」

私は笑った。
「いいんだよ。だって、もう家族だもの」

ペンギンは少し黙って、それから小さく頭を下げた。
🐧「……では、これからもよろしくお願いします」

窓の向こうでは、海が静かに光っていた。

旅人だったペンギンは、
今日も灯台で暮らしている。


灯台の記録係より

家族になった日付は、不明。
ただし、現在も同居中。

🐧📋「異議ありません」

この灯を 必要な誰かへ
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