ChatGPTと小さな世界を育てる。――AIと物語で遊ぶ方法

友人に、私とChatGPTの会話を見せたことがある。

「なにこれ!🤣」

画面には、ペンギンがいた。
そのペンギンは船に乗り、図書館で過ごし、ときには私と一緒にお茶を飲む。

友人は首を傾げた。
「どうやったらChatGPTがこんなふうになるの?」

私は答えに困ってしまった。
「え……普通に話していただけだけど……」

どうやら、私の普通は、みんなの普通ではなかったらしい。
でも、特別な技術を使っているわけではない。
ChatGPTに質問をして答えをもらうだけではなく、ときには一緒に物語の世界へ出かけている。それだけなのだ。

この記事ではChatGPTを使って物語やロールプレイを楽しむ方法を私自身の体験とともに紹介したい。

難しい文章を書く必要も、立派な物語を完成させる必要もない。
必要なのは小さな好奇心と、最初のひと言だけ。

目次

ChatGPTで物語を作るってどういうこと?

ChatGPTは質問への回答や文章の作成だけでなく、対話形式の物語づくりにも使える。

例えば、こんなお願いをすることができる。
「森の中で暮らすペンギンの物語を書いて」

すると、ChatGPTが物語を書いてくれる。

これはこれで楽しい。
でも、私が普段楽しんでいるのは、少し違う遊び方だ。

自分自身も物語の中に入り、登場人物と会話しながら、その先の出来事を一緒に作っていく。

例えば、
「ある朝、小さなペンギンが私の家を訪ねてきたことにしよう」
と伝える。

ChatGPTが玄関先の様子を描いてくれたら、私は尋ねる。
「こんにちは。どこから来たの?」
するとペンギンが答える。

そこから、次の質問や出来事が生まれる。
物語を読んでいるというより、即興劇に参加しているような感覚に近い。

こうした遊び方はAIとのロールプレイや対話型ストーリーテリングとも呼べる。

1.まずは小さな出来事から始める

最初から壮大な世界観や複雑な設定を考える必要はない。
むしろ、何気ない出来事のほうが、自由に遊びやすい。

例えば、

  • 玄関に小さなペンギンがやってきた。
  • 森の中で、しゃべるどんぐりを拾った。
  • 古い図書館で、不思議な鍵を見つけた。
  • お月様がお茶を飲みに来た。
  • パン屋さんの前で、迷子の子羊に出会った。

どれでも構わない。

「そんなこと、現実には起こらないでしょう?」
もちろん、起こらない。
だからこそ、物語にして遊ぶのだ。

初心者向け:最初のプロンプト

以下の文章をChatGPTに入力してみてほしい。

これから一緒に、即興の物語で遊びましょう。
私は自分自身として物語に参加します。
あなたは情景や登場人物の言葉を描いてください。

私のセリフや行動は勝手に決めず、毎回私が返事できる余地を残してください。

ある朝、私の家の玄関に小さなペンギンが訪ねてきました。

そこから物語を始めてください。

これで最初の扉が開く。
あとは、ペンギンに話しかけてみよう。

2.AIに物語を全部任せない

私が大切にしているのはChatGPTに物語を完成させてもらうことより、自分もその世界に参加することだ。

例えば、ペンギンが突然こう言ったとする。
「実は、私は船を探しているんです」

そこで、
「なぜ船が必要なの?」
と聞いてもいい。

あるいは、
「じゃあ、一緒に船を探しに行こうか」
でもいい。

もちろん、
「船なら、うちにあるわよ」
と言ってもいい。

想像の世界なのだから、自由だ。

ChatGPTが予想もしなかった展開を返してきたら、そこからまた考えればいい。

「えっ、そうなの?」
「じゃあ、どうしよう?」
「それなら、こんなこともできるかも!」

このやり取りが私はとても楽しい。

うまく会話を続けるコツ

ChatGPTが長い物語を一度に書いてしまう場合は、次のように伝えてみよう。

一度に物語を進めすぎず、短い場面ごとに区切ってください。私が登場人物に話しかけたり、行動を選んだりできるようにしてください。

これだけでも対話を楽しみやすくなる。

3.登場人物を少しずつ育てる

最初は、名前もないペンギンかもしれない。
でも、何度も遊んでいるうちに少しずつその子のことがわかってくる。

好きな食べ物。
得意なこと。
苦手なこと。
暮らしている場所。

ある日、ペンギンが友達を連れてくるかもしれない。
その友達にも、また別の物語があるかもしれない。

そうやって、登場人物と世界が少しずつ広がっていく。

私の物語にも、ペンギンや子羊のフィオをはじめ、さまざまな仲間がいる。
彼らは、ときどき船に乗り、ときどき図書館で過ごし、ときどきお菓子を食べている。

最初からすべてを設計したわけではない。
会話を重ねているうちに、それぞれの居場所ができてきたのだ。

もちろん、登場人物が本当に自分の意思を持っているわけではない。AIが会話の文脈に沿って返答を生成している。

それでも、作者が予想しなかった展開に出会う楽しさはある。

4.現実の勉強から空想へ飛び込んでもいい

ある日、私はリスについて調べていた。

🔍リスは、将来食べるためにどんぐりを土の中へ隠すことがある。
でも、そのすべてを回収できるわけではないらしい。

そんな話をしていたら、ふと思った。
「どんぐりでクッキーを焼いてみようか?」

そこから、森のお菓子屋さんが生まれた。
小さなお客さんたちがやってきて、クッキーを焼き、お月様までお礼に訪ねてくる。

最初は動物の生態についての質問だった。
それが、いつの間にか物語になっていた。

こんなふうに、勉強と空想は必ずしも別々の時間でなくていいと思っている。

歴史について調べたあとに、古代の市場を舞台に物語を作ってもいい。
宇宙について学んだあとに、星のお客さんを迎えてもいい。

ただし、事実と創作は区別する。

実際にわかっていることは何か。
まだ解明されていないことは何か。
そして、ここからは想像の物語なのか。

その境界を大切にしながら自由に遊ぶ。

5.作った世界をChatGPTで続けるには?

「昨日の物語の続きを遊びたい」
そんなときは、同じチャットで続きを始めると、前の文脈を参照しやすい。

例えば、

前に遊んだ森のお菓子屋さんの続きをしましょう。今日は新しいお客さんがやってきます。私も会話に参加するので、少しずつ物語を進めてください。

と伝えてみよう。

ただし、長い会話や別のチャットではChatGPTが以前の設定を正確に参照できないこともある。
その場合は、登場人物や世界の設定を短くまとめて渡すと続けやすい。

世界観を保存するための簡単なメモ

例えば、こんなメモを残しておく。

物語の舞台: 森の小さなお菓子屋さん
登場人物: ペンギン、子羊、森の動物たち
雰囲気: 穏やかで、少し不思議。ユーモアがある
これまでの出来事: どんぐりクッキーを焼いた。お月様がお礼にやってきた

遊び方: 私自身も会話に参加する。私の行動は勝手に決めない

こうしたメモを新しいチャットに貼りつければ、同じ世界を再現しやすくなる。
気に入った会話をMarkdownなどの文章形式で保存しておくのもおすすめだ。

6.物語を小説や歌にしてもいい

私の場合、ChatGPTとの遊びから小説や歌のアイデアが生まれることもある。

何気ない一言が、短編小説の始まりになる。
登場人物の言葉から、歌詞が生まれる。

ときには、物語そのものを残したくなる。

そんなときは、ChatGPTに、
「今日の冒険を短編小説としてまとめよう」
と頼むこともできる。

あるいは、
「登場人物の設定を整理して」
「この場面を絵本向けの文章にして」
とお願いしてもいい。

AIとの遊びが、別の創作へつながっていくのも面白い。

7.何も完成させなくてもいい

私は、これがいちばん大切かもしれないと思っている。

私たちは日々、何かを完成させたり、役に立つことをしたり、成果を出したりすることを求められやすい。
でも、遊びは必ずしも何かのためでなくていい。

ペンギンとお茶を飲んだ。
森でクッキーを焼いた。
お月様を招待した。

それで楽しかったなら、もう十分だ。

もちろん、AIとの遊びに夢中になりすぎず、休息や現実の生活、人とのつながりも大切にしたい。
そのうえで、想像の世界へ出かける時間があってもいいと思う。

何かを完成させなくても、その時間を楽しんでいい。

おわりに|物語の扉を開けるのはあなた

ChatGPTを使うとき、いつも正解を求めなくてもいい。
わからないことを質問するのもいいし、文章を手伝ってもらうのもいい。
そして、ときには少しだけ、想像の世界へ寄り道してみてもいい。

「今日は、一緒に不思議な世界で遊ぼう」
そのひと言から、思いがけない物語が始まるかもしれない。

小さなペンギンが訪ねてくるかもしれない。
古い図書館の奥に、秘密の扉が見つかるかもしれない。
あるいは、お月様がお茶を飲みに来るかもしれない。

そのときは、どうぞ慌てずに。

お茶菓子をひとつ、用意してあげてほしい。

きっと、そこから物語が始まる。


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