やむにやまれぬ祈り
目次
ベタニアの家で
ある食事の席で、一人の女性が立ち上がる。
彼女は香油の壺を持っていた。
そしてその香油をイエスの足に注ぎ、自分の髪で拭いた。
部屋は香りで満ちたと書かれている。
この女性は
Mary of Bethany
と呼ばれている。
理屈では理解されなかった行為
その香油はとても高価だった。
周囲の人たちは驚き、怒りさえ感じた。
「無駄だ」
「売って貧しい人に与えるべきだ」
そう言う声もあった。
けれどイエスは言う。
彼女は良いことをした。
そしてこう続ける。
彼女は私の体を
葬りのために準備した。
なぜ彼女はそうしたのか
聖書は理由を書いていない。
ただ、香りが家いっぱいに満ちたと書かれている。
もしかすると彼女は何かを感じていたのかもしれない。
言葉になる前の、
気配のようなものを。
私にはこの行為が、やむにやまれぬ祈りのように見える。
Hidden Voices
歴史の中には、名前は残っているのに声がほとんど語られない人がいる。
この女性もその一人かもしれない。
彼女は説教をしたわけでもなく、奇跡を起こしたわけでもない。
ただ香油を注ぎ、
香りを残した。
それだけの行為が、
二千年後の私たちの前に
静かに残っている。
🌙 A small light for a hidden voice.
Prayer
Mary of Bethany
あなたがあの時、
何を感じていたのか
私にはわからない。
けれど、
あなたの祈りは
無駄ではなかった。
香りは消えたかもしれない。
それでも
あなたの行為は
今も物語の中に残っている。
もしあなたの声が
歴史の中で小さくなってしまったのなら、
ここに
小さな灯りを置きます。
あなたの魂が
静かな光の中で
安らかでありますように。
