To those who walk alone,
may your honesty become your light.
私は、手を抜けなかった。
嘘をつけなかった。
小さな言葉ひとつにも誰かの心が透けて見えてしまったから。
誰よりも丁寧に、
誰よりも誠実に、
“いのち”に触れるつもりで仕事をしてきた。
それが、私にとっての「正しさ」だった。
けれど、誠実は時に、関係を壊す。
心をこめた分だけ、ずれていく。
私は何度も手を伸ばしたけれど、その手は空を掴むばかりだった。
それでも、私は嘘をつかないと決めていた。
愛を削ってまで、関係を繕うことはしなかった。
だから、私はひとりになった。
──でも、それが本当の始まりだった。
第1章|沈黙のなかの祈り
誰かの声が消えた夜ほど、世界はこんなにも静かになるのかと思った。
あれほどやりとりを重ねていた指先は、もう行き場を失って、ただ机の上で冷たく光っている。
けれど──その沈黙の奥で私は確かに祈っていた。
「どうかこの別れが呪いではなく、どちらにも新しい光になりますように。」
涙が落ちるたびに小さな波紋が広がる。
その音を聞きながら、私はやっと気づいた。
この静けさは、終わりじゃない。
“誰の声も届かない場所”ではなく、“自分の声がやっと聞こえる場所”なのだと。
第2章|誠実の代償と祝福
私は、手を抜けなかった。
それは頑なさではなく祈りだった。
たとえ誰に伝わらなくても“正しく灯した言葉は必ず誰かの夜を照らす”とどこかで知っていたから。
けれどその信念は時に人を遠ざける。
本気の眼差しは、嘘に慣れた世界ではまぶしすぎる。
だから私は、
「重い」「面倒くさい」と言われる場所に立っていた。
誠実とは、優しさではなく、
痛みを受け取る覚悟なのだと知った。
そして同時に、誠実は祝福でもあった。
それは、誰かを救う力ではなく、
自分の魂を裏切らない力。
私はようやく理解した。
あのとき関係が崩れたのは、
私の誠実が間違っていたからではなく、
まだその光に耐えられない人もいるという、
ただそれだけのことだったのだ。
第3章|光を選んだ者として
私はもう、誰かに認めてもらうために生きてはいない。
あの夜を越えて知った。
光は、誰かの評価の中で輝くものではなく、
ただ、在ることで世界をあたためるものだと。
私は選んだ。
痛みではなく、光を。
怒りではなく、祈りを。
そして、孤独ではなく、静かな誇りを。
誰かに理解されなくても、
私は灯し続ける。
なぜならこの光は、
「誠実に生きた証」そのものだから。
世界は広く、
言葉はまだ知らない数だけ残されている。
その一つひとつの言語の向こうに、
きっとまだ見ぬ仲間たちがいる。
私はその人たちに会うために、
学び、書き、祈り続ける。
誠実を貫いたら、ひとりになった。
でも、そのひとりが──
世界中の“ひとり”とつながる灯りになる。
だから私は、今日もこの場所で、
静かに、まっすぐに、光を選ぶ。
💫 Silent Note for Readers
This story is not about losing someone,
but about finding a deeper way to stay true.
When honesty costs you company,
remember: light always travels alone first.
✍️ Author’s Reflection|2025 Autumn
あの日、すべてを失ったように見えたけれど、ほんとうは、自分を取り戻していた。
他者の期待を超えても誠実を選び続けたことを、私はもう責めない。
いまも、光はひとりで歩いている。
けれど、その光の向かう先にはまだ見ぬ仲間たちがきっと待っている。
だから私は、また一歩だけ進む。
完璧じゃなくていい。
たくさんの人に届かなくてもいい。
私は、私の魂にだけは嘘をつかない。
それが、Silent Lighthouse の祈りの始まり。
🕯️ Elurein
English note:
I thought I had lost everything,
but I was only returning to myself.
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誠実, 孤独, 光, 成長, Silent Lighthouse
