占いに強く惹かれるわけではないのに、なぜかタロットやルノルマン、オラクルカードを手に取りたくなる──。
私にとって、カードは未来を当てる道具ではなく精霊と物語に出会う小さな扉。
象徴と交信し、祈りを紡ぐ時間について綴ります。
タロットカードやルノルマンカード、オラクルカード──。
どれも「占いの道具」として知られていますが、私は正直占いそのものが得意ではありません。
未来を当てたり、運勢を決めつけられることにはあまり魅力を感じないのです。
それなのになぜかカードだけは強く惹かれてしまう。
タロットの絵柄をめくるとまるで古代の神話や象徴の世界に招かれるようで、オラクルの言葉には精霊の囁きが宿っているように思えるのです。
私にとってカードは「未来を占うもの」ではなく「祈りや物語と交信する扉」なのだと思います。
象徴の森に迷い込むような感覚
タロットやルノルマンの1枚1枚には、剣・杯・星・月…といった象徴が描かれています。
それらはただのイラストではなく、古代から続く物語や神話の断片。
私はそのカードを眺めるたびに「生きた象徴の森」に足を踏み入れるような感覚になるのです。
アニミズム的な共鳴
カードは紙の印刷物にすぎないはずなのに、手に取ると精霊のような存在感を放ちます。
「今日の私に、このカードは何を語りかけてくるのだろう?」
そんなふうに問いかけるとただの占いではなく、世界と交信しているような響きを感じられます。
秩序を抱く安心感
カードデッキには必ず「体系」があります。
タロットなら大アルカナ22枚と小アルカナ56枚、ルノルマンなら36枚。
この「手のひらに収まる小さな宇宙」が混沌とした現実に対して不思議な安心感を与えてくれるのです。
遊びと物語を紡ぐ相棒
カードを並べてみると、そこから物語が自然に立ち上がってきます。
「この人物は何を考えているのだろう?」
「ここに描かれた月は、私のどんな気持ちを映しているのだろう?」
まるで絵本を読むように自分自身や世界との対話が始まります。
祈り──カードに棲む精霊たちへ
今日も一枚のカードがひらかれる。
そこにはただの絵ではなく、精霊の気配が息づいている。
剣の精霊はあなたの言葉を澄ませ
杯の精霊はあなたの感情をやさしく抱き
星や月の精霊はあなたの夜を照らす。
どうか、この小さな精霊たちが
あなたの胸の奥で囁き、寄り添い、導きますように。
そしてあなた自身もまた、ひとつの精霊として
この世界に物語を紡ぎ続けられますように。